2020年7月5日日曜日

こぼればなし


政治家の発言によく出てくる言葉として、「前向きに検討します」というのがあります。これは、「実行します」という意味ではありません。むしろ、「あまり期待しないでください」と理解した方がよいでしょう。あくまでも、「検討する」と言っているだけで、約束しているわけではありません。

「遺憾に思う」「遺憾である」という表現もあります。これは「思ったようにならなくて残念である」という意味です。謝罪にはなっていません。若手議員のスキャンダルに対して、派閥の重鎮が「遺憾である」と言うのは、「お騒がせして申し訳ありません」と言いたい気持ちはあるけれど、謝罪してしまうと自分にも責任が生じるので言えませんという、深い意味が込められているのです。

謝罪しないという点では、電車内での車掌さんのアナウンスも同様です。「本日は、車両故障によりダイヤが乱れ、お客様にご迷惑をおかけしております」あれれ、これで終わり。みなさんは、これで車掌さんが謝罪をしていると感じていますか。いやいや、謝罪にはなっていません。だったら「お客様にはご迷惑をおかけして申し訳ありません」「お客様にご迷惑をおかけしたこと、お詫び申し上げます」でないといけません。政治家と同じく、謝罪すると責任を問われるということでしょうか。遅れた原因が急病の乗客の救護だったら、確かに鉄道会社に責任はないので謝罪する必要はないでしょうが、車両故障だったらやはり謝罪してほしいところですよね。マニュアルに「謝ってはいけません」と書いてあるはずはないのですが。

0 件のコメント:

コメントを投稿