第2章のまとめ
1.「です、ます」と「だ、である」
l 一つの文章のなかでは「です、ます」調か、「だ、である」調のどちらかに統一するのが原則である。
l 読み手の顔が見えている文書では「です、ます」調を使い、読み手の顔を意識する必要のない文書では「だ、である」調を使うことが多い。
l 場面転換のために、一つの文章のなかで「です、ます」調と「だ、である」調を混在させることがある。
l 箇条書きは、原則として「だ、である」調で記述する。
2.「ののの」に注意
l 助詞の「の」は一つの文のなかで三つ以上連続で現れないようにする。
l ほとんどの「の」は、一定のルールにしたがって別の言葉に置き換えが可能である。
l あえて「の」を多用することにより、文にリズム感を与える手法がある。
3.読点は多過ぎず少な過ぎず
l 読点には、句点と違ってどこに打つかという決まりがない。
l 読点を打つ候補として「文中の区切り」「接続詞、感嘆詞など、独立した言葉のあと」「列挙や繰り返しのあいだ」「会話のかぎ括弧の前」などがある。
4.美しい敬語の使い方
l 敬語の間違いは「敬語になり得ない言葉を敬語として使う」「敬語を使う必要のないところで敬語を使う」「敬語にはなっているが使い方が違う」の三つに大別される。
l 会話でも使える一般的な文を心がける。丁寧語は良いが、尊敬語、謙譲語は必要最低限にすること。「自然であること」が美しい敬語の前提である。
5.体言止め
l 名詞、代名詞などの「体言」で文を終えることを「体言止め」という。
l 体言止めは、「リズム感やスピード感を作り出す」「文中で区切りをつける」目的や、「箇条書き」「文章の見出し、キャッチ・フレーズ、スローガン」などで使用される。
6.倒置法
l 倒置法とは、「文中で、言葉の順番を普通の逆にする表現方法」である。
l 倒置法は、文中の一部の言葉を強調する目的や、語調と整える(文にリズム感をつける)目的で使われる。
7.箇条書き
l 文章中の文や、文中の言葉が複数(原則として三つ以上)並べられていて、その関係が並列であるか、または順序性をもっている場合は箇条書きにするとよい。
l 箇条の一つひとつがあまり長くならないようにする。箇条ごとの文が2行以上になる場合は見出しをつける。
l 箇条の数は10個以内に収める。10個を超える場合は複数のまとまりに分ける。
l 文章中が箇条書きばかりにならないようにする。
8.漢字、ひらがな、カタカナの使い分け
l 体言(名詞、代名詞)は漢字で表記する。
l 用言(動詞、形容詞、形容動詞)は語幹を漢字、語尾をひらがなで表記する。
l 助詞(てにをは)は、ひらがな表記となる。
l 外来語、擬音語、擬声語はカタカナで表記する。
l 語勢を弱める目的や、ていねいな言い回しのなかで、通常は漢字で表記する言葉をひらがなで表記する場合がある。
l 文中の一部の言葉を強調したり、機械的な雰囲気を作り出すために、カタカナ表記を用いることがある。
9.繰り返し
l 言葉の繰り返しは、「重要な言葉を伝える」「リズムを作り出す」「強い感情を表現する」などの目的で使用される。
10.現在形と過去形
l 日本語には現在形と過去形しかない。また、時制はあいまいで、一つの文章中に現在形と過去形が混在することもある。
l 過去のできごとを現在形で記述することにより、臨場感をかもしだすことができる。
11.書き言葉と話し言葉
l 主に会話で使用される表現を「話し言葉」、文書上で使用される表現を「書き言葉」と呼ぶ。
l ビジネス上の文書や電子メールでは、話し言葉は使用しない。
l 話し言葉で書かれた文は、親近感をもって場景をイメージすることができる。
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